赤ちゃんの離乳食を考えるとき、多くの親がどの食品を選ぶべきか悩むものです。
特に、日本の伝統的な味噌汁は、家庭の食卓に欠かせない一品ですが、果たして赤ちゃんにとっても適しているのでしょうか?
味噌汁は健康に良いとされていますが、そのまま赤ちゃんに与えるのは安全なのか、どのタイミングで取り入れるのが良いのかは気になるところです。
本記事では、味噌汁が離乳食としてどのようなメリットとデメリットがあるのか、また赤ちゃんに与える最適な時期や調理方法について詳しくご紹介します。
さらに、塩分の管理や安全対策、専門家の意見も交えながら、赤ちゃんに味噌汁を取り入れる際のポイントを解説します。
これから離乳食を始めるご家庭にとって、役立つ情報が満載です。さっそく、赤ちゃんにとっての味噌汁の可能性を探ってみましょう。
離乳食に味噌汁?赤ちゃんにとってのメリットとデメリット
味噌汁に使う味噌には、良性の植物性たんぱく質、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど赤ちゃんにとらせてあげたい栄養がたっぷり。
味噌汁は、具材の栄養がしみ出した汁まで全部飲めるので、栄養をあますことなくしっかりとれる料理の1つと言えます。
また、色々な具材を入れて作ることにより、栄養をバランスよくとれる・飽きずに食べられるのもメリット。
味噌汁は作る手間もさほどかからないので、離乳食にぜひ取り入れたいですね。
ただ、始めのうちは味噌の量の調整がやや難しく、大人の分と別で作らなければならないのがデメリットかもしれません。
また、味噌は比較的塩分のとり過ぎにはなりにくいと言われていますが、離乳食に味噌汁を作る時は薄めの味付けを心がけ、塩分のとり過ぎにならないよう注意しましょう。
赤ちゃんに味噌汁を与えるのはいつから?推奨されるタイミングとは
赤ちゃんに味噌汁を与えるのは、いつからが良いのでしょうか。
味噌汁を取り入れるタイミングは、明確に「いつから」という決まりがあるわけではありません。
離乳食は生後5~6か月ごろに始めるのが一般的ですが、味噌汁を与えるのは7~8か月ごろがおすすめ。
初めのうちはだしは入れずに味噌を少しだけ使い、汁のみを子供用のスプーン1杯から与えてみてください。
少しずつ量を増やしていき、やわらかい具材を選んで食べさせてあげましょう。
離乳食完了期になれば、大人と同じ味噌汁を取り分けて食べられるようになります。
この時期でもまだまだ味覚が繊細なため薄味を心がけ、具材の大きさ・かたさを確認するようにしましょう。
お子さんの成長や離乳食の進み具合に合わせて、調整してみてくださいね。
味噌汁の栄養が赤ちゃんに与える影響と健康効果
前述の通り、味噌汁は栄養をバランス良くとれるスーパーフードと言われています。
味噌に含まれるタンパク質やアミノ酸は、体を作り、維持・調節するなど生命活動を司る大事な栄養です。
ビタミン・ミネラルも、赤ちゃんの成長や健康を守るためにさまざまな働きをしてくれます。
また、味噌には腸内環境を整えてくれる善玉菌や酵素が含まれています。
水分も取れる味噌汁は、便秘しがちな赤ちゃんの便秘対策にもなりますよ。
野菜・肉・魚など具だくさんにするとさらに栄養価が高くなるため、色々な食材を試してみましょう!
赤ちゃん用の味噌汁レシピと作り方のポイント
赤ちゃん用の味噌汁には、だしなどが入っていないシンプルな味噌を選びましょう。
大豆の粒が残っている「粒味噌」は、赤ちゃんが食べにくい場合があるため、粒のない「すり味噌」を使うのがおすすめ。
食べ始めの頃は、赤ちゃんが食べやすいよう具材もやわらかく煮てすりつぶしてあげてください。
大人の味噌汁からの取り分け方は以下の通りです。
- 具材をやわらかくなるまでだし汁で煮る
- 薄め用のだし汁をとっておく
- 味噌を入れて仕上げたら具材と汁を取り分ける
- 具材を小さく切り、とっておいただし汁を加えて薄める
味噌汁に、うどんやご飯など主食を混ぜるのも◎。
ビタミン・タンパク質・カルシウムなど栄養バランスを考えながら色々な具材を組み合わせてみましょう!
時期ごとのおすすめの具材は以下の通りです。
- 初期:豆腐・白身魚・鶏ひき肉
- 中期:にんじん・じゃがいも・玉ねぎ
- 後期:卵・豚肉
そのままだと食べてくれない食材も、味噌汁の汁と一緒なら食べてくれる子も多いですよ。
じゃがいもやさつまいも、かぼちゃを入れるととろみがついて食べやすくなります。
それでも食べにくいと感じる場合は、片栗粉で少しとろみをつけてあげると良いですね。
離乳食としての味噌汁の塩分管理とその対策
味付けの濃いもの・塩分の多いものは、赤ちゃんの腎臓に負担をかけてしまいます。
離乳食に味噌汁を取り入れる際は、塩分量の管理に気をつけたいですね。
7~8か月ごろは、具材を煮た汁50cc程度に、味噌は小指の第一関節の3分の1程度(1cm四方程度)が目安です。
ほんのり風味がついて、色は薄めの茶色になるくらいの濃さでOK。
9か月ごろからは、150㏄に小さじ1弱程度、大人の味噌汁の2~3倍に薄めると良いでしょう。
だしの旨味や素材の味を生かした、薄味の味噌汁を心がけてくださいね。
味噌汁を離乳食に取り入れる際の注意点と安全対策
味噌汁は、飲むと体がぽかぽかになるその「あたたかさ」も魅力の1つ。
ただ、赤ちゃんに与える際には、十分に冷ましてから与えるようにしましょう。
味噌には大豆・米・麦などアレルギーの原因になるものが使われているため、始めて食べる際はごく少量から、病院が空いている時間帯を選ぶと良いですね。
また、誤嚥・窒息事故防止のため具材は小さめを心がけ、かみ切れる硬さになっているかどうか確認も忘れずに。
赤ちゃんの安全に注意しながら、楽しく離乳食を進めていきましょう!
専門家の意見と実際の体験談:赤ちゃんに味噌汁を与えた結果
味噌汁を離乳食に取り入れることについて、専門家の方の意見を見ていきましょう!
離乳食インストラクターの中田馨です。「簡単に作れる離乳食メニューって何ですか?」と聞かれたら私は「お味噌汁」と答えます。実際うちの子にも、時間がない時はお味噌汁の離乳食を作っていました。
お味噌汁は、大人ごはんを作るついでに作れる、“取り分け離乳食”にぴったりのメニューです。具材をだし汁で煮込み、お味噌を入れる前に離乳食分を小鍋に取り分けます。あとは月齢に合わせた味つけに仕上げれば完成。ママやパパと同じものを食べているという感覚は、赤ちゃんにもうれしいはずですよ。
クックパッド
離乳食インストラクターの中田薫さんは、簡単に作れる離乳食メニューとして味噌汁をあげています。
たしかに、家族と一緒に同じものを食べられると、赤ちゃんも喜んでくれそうですね!
実際に、大人用の味噌汁から赤ちゃん用の離乳食を取り分けているという体験談です。
おかゆやおかずに味噌汁が加わると、さらにバランスのとれた離乳食になりますね。
取り分けできるようになって楽になったという体験談です。
大人の味噌汁から分けられるようになると、離乳食作りもぐんと楽になります。
同じように、大人の分から取り分けてあげている、と言う人が他にもたくさんいました!
ただそうなると、気になるのが塩分量ですよね。
栄養士のシライカヨコ先生は、以下のように述べています。
味噌汁は日本の食文化のひとつです。そして何よりも大人からの取り分けがしやすいという利点もあります。気になるのが塩分ですが、離乳の開始時期は「調味料は必要ない」とされています。しかし月齢が進んでくると、味付けが薄いと離乳食が進まなくなる場合もあります。厳密に塩分計算などするよりも、日々の心がけで大人もあかちゃんと一緒に減塩生活を楽しめるとよいですね。
マイナビ子育て
塩分は控えめに、とそればかりに気を取られてしまうと、離乳食が進まず苦労してしまうかもしれません。
大人の味噌汁を少し薄める、おかゆを混ぜるなど工夫しながら塩分を調整すると良いですね。
おかずをプラスしたい場合は、素材の味のままでも食べやすいかぼちゃやさつまいもを添えるのもおすすめです!
味噌汁を取り分けて離乳食としてアレンジしたという体験談です。
だしや具材の旨味たっぷりの味噌汁を使った離乳食は、きっと赤ちゃんも満足してくれるはず。
味噌汁をおかゆや他の具材と混ぜ合わせると、メニューの幅もどんどん広がりますね!
まとめ
離乳食・味噌汁についてまとめます。
- 味噌汁は栄養・水分がとれて離乳食にもおすすめ
- だしを使わない味噌汁は7~8カ月ごろからOK
- 味噌汁は取り分けやアレンジもしやすい
- 塩分量には注意が必要
離乳食に味噌汁を取り入れ、赤ちゃんとの楽しい食事タイムを過ごしましょう♪