永久歯に生え変わるのが楽しみな時期である反面、周りの子どもやネットの情報と比較して
不安になってしまうパパやママも多いはず。
必要以上に焦らず、虫歯予防と歯磨き習慣に励みながら生え変わりを待てると良いですね。
そこで永久歯へと生え変わる時期(移行期)に入る5歳・6歳の歯の特徴と歯磨きのポイントをまとめました。
乳歯から永久歯への移行期【生え変わりの時期と特徴】
乳歯から永久歯への生え変わりの時期(移行期)は、6歳から14歳頃にかけて進んでいくとされていますが、
5歳から歯がグラつき始め抜けることもあり個人差は様々です。
6歳になると6歳臼歯という第一大臼歯(奥歯)が生え、14歳頃には親知らず以外の永久歯が
すべてそろった状態になる子どもが多いです。
第一大臼歯(6歳臼歯)
奥歯には第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯があり、第三大臼歯は親知らずになります。
第一大臼歯は6歳頃に生えてくる永久歯のため6歳臼歯ともよばれます。
第一大臼歯は歯の中で一番大きく、噛む力がとても強いです。またあとから生えてくる永久歯を整列させる
役割があり、とても重要な歯です。
しかしこの第一大臼歯は、生える場所が乳歯の後ろで本人も保護者も気づきにくく、完全に生え切るまでに
時間がかかるので、乳歯との段差に汚れがたまりやすく虫歯になりやすいです。
第一大臼歯自体が歯の溝が細かく複雑な形で磨きにくいので、念入りに仕上げ歯磨きをする必要があります。
5歳で歯が抜ける?!
5歳で歯がグラグラし始めると少し早いように感じて心配する方もおられると思いますが、
歯の発達や顎の発達などの影響から、生え変わる時期には個人差があります。
歯がグラつき始めても無理に抜いたりせず、自然に生え変わるのを待ちましょう。
また永久歯が生えるスペースを確保するために顎が発達し、歯と歯の間に隙間がでてくるのも
永久歯へと生え変わる時期の特徴です。
もし歯と歯の間にスペースがないようであれば、永久歯が生えてきても歯並びがガタガタになる
場合があるので、気になるようであれば歯医者さんを受診し、相談しましょう。
加えて自宅では顎の成長を促すために、しっかり噛む習慣をつけると良いですね。
一つ知っておきたいのが乳歯が早めに抜ける原因が、顎の発達や永久歯の成長だけとは限りません。
あまりにも年齢に対し抜けるのが早いや、パパやママが何か気になると感じられた場合は、
抜けた乳歯を歯医者さんへ持っていき確認してもらいましょう。
乳歯から永久歯へ移行する時期に大切なこと
乳歯から永久歯へ生え変わる時期を移行期といいますが、この移行期で注意すべき3つの主なポイントは、
- 乳歯の虫歯は早期治療
- 虫歯予防を徹底
- 口内に異常がないか観察
乳歯の虫歯は早期治療
乳歯は永久歯に生え変わるから虫歯になっても大丈夫と勘違いしていませんか?それ危険です。
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響をおよぼします。
乳歯の虫歯が歯の根に到達すると、永久歯に形成不全や変色などトラブルが起きるリスクが高くなります。
虫歯により早期に乳歯を失った場合、周囲の乳歯が傾いたり伸びることもあり永久歯の歯並びに悪影響が生じる
可能性があります。
乳歯の虫歯を放置し続けると、口内で虫歯菌が増殖し虫歯になりやすい口内環境になってしまいます。
生え変わった永久歯も虫歯になる危険性が高くなりますので、永久歯を守るためにも乳歯の虫歯は
早期に治療しましょう。
虫歯予防を徹底
生えたての永久歯は未熟なため歯の質が弱く、表面もやわらかくザラザラしていて酸に弱いという特徴があります。
虫歯菌が出す酸に溶けやすいので虫歯のリスクが高く注意が必要です。
加えて大臼歯は歯の溝が深く複雑なため毎日の歯磨き、仕上げ磨きを十分に行う必要があります。
また永久歯と乳歯が混在し、歯並びが凹凸しており磨きにくいので、仕上げ磨きにはデンタルフロスや
タフトブラシ(毛束が小さく一つにまとまったもの)を用いると良いです。
定期歯科検診や、予防処置としてシーラントを施術するといった方法もあるので、
積極的に歯医者さんへ相談、受診をし虫歯予防に努めましょう。
口内に異常がないか観察
仕上げ磨きの際に口内をしっかり観察しましょう。
乳歯がぐらついている、乳歯が抜けたところから永久歯が生えてこない、永久歯が生えだしているのに
乳歯がまだ抜けていない、歯肉炎になっているなど、移行期にはトラブルが生じやすいので
日頃から観察が必要です。通常乳歯が抜けた後3か月前後で永久歯が生えてきます。
少しでも気になることがあればすぐに歯医者さんへ受診しましょう。
かかりつけの歯医者さんを小さい時から決めておくと安心やな♪
歯医者さんに慣れておくためにも早くから定期歯科検診へ行っとこ!
乳歯から永久歯への移行期【予防歯科に注目】
自宅で普段使用している口腔ケア商品はどのように選ばれていますか?
乳幼児期であれば、歯磨きタイムが楽しくなるように好きなキャラクターや、安全プレートがついた歯ブラシなど
歯磨きを嫌いにならない、安全であるといった視点で選ばれている方も多いと思います。
乳歯がすべて生えそろい、本格的な歯磨きを習慣化させるタイミングや、乳歯と永久歯で凹凸のある時期に
毎日使用するグッズを見直すのはとてもおすすめです!
- 生え変わり時期の歯の凹凸に適した小さめのヘッド歯ブラシ
- フッ素含有、キシリトール配合の子供用歯磨き粉
- 研磨剤不使用、無添加の子供用歯磨き粉
- 発泡剤不使用または低発泡の子供用歯磨き粉
- 仕上げ磨き用にうがい不要歯磨き粉
- 仕上げ磨き用にタフトブラシ
- 仕上げ磨き用にデンタルフロス
※年齢に適したフッ素濃度を守りましょう
上記のポイントを押さえた商品はたくさん販売されていますし、歯医者さんでも購入できます。
おかんは、実際に使う歯ブラシを歯医者さんへ持って行って相談したり、
磨き方を教えてもらったりしたで~
フロスの当て方も今ではバッチリや!
また巷で人気のシーラントをご存じですか?
歯医者さんで出来る予防処置としてフッ素塗布とシーラントがありますが、このシーラントとは、
第一小臼歯から第二大臼歯(奥歯)が乳歯から永久歯へ生え変わったタイミングに行う虫歯予防です。
永久歯に生え変わったばかりの奥歯が虫歯にならないよう、フッ素成分が配合された
白い歯科用樹脂素材「レジン」を奥歯の溝に埋め、虫歯にならないようガードします。
この素材は、虫歯治療の際に使用する詰め物と同じ素材です。
気になる方はぜひお近くの歯医者さんに相談してみてください!
うちの場合は、歯医者さんでシーラントのメリット・デメリット、
施術ができるだけの一定時間大きく口が開けられるかなど
説明を受けて、どのタイミングがわが子に合ってるか診てもらえたで!
乳歯から永久歯への移行期【効果的な歯磨き方法】
移行期の効果的な歯磨き方法、ポイント
- 一か月に一回または歯ブラシの毛先が跳ねてきたら交換する
- 奥歯から順番に磨く
- 歯の表面に対して歯ブラシを90°縦に当て小刻みに動かす
- 歯茎や歯をマッサージするよう優しく磨き、歯一本一本に歯ブラシを当てる
- 歯の前後も意識して磨く
- 仕上げ磨きには歯ブラシ、デンタルフロス、タフトブラシを用いると尚良い
子どもの年齢が上がるにつれ、本人任せになりがちな歯磨きですが、声掛けを行ったり、
歯磨きの状況をチェックしたり、週に数回でもいいので仕上げ歯磨きをやめないことが望ましいです。
文部科学省の「学校保健統計調査」によると、小中学生の約4割が歯肉炎になっているのだそう。
原因の多くは歯磨きが十分にできていないことだといいます。
健康な歯を守るためには、日常の歯磨きと仕上げ歯磨きを丁寧に行い、デンタルフロスや
タフトブラシの活用など工夫が必要です。
また永久歯が生え始めてからの約2年間は、とくに虫歯になりやすく、フッ素を取り込みやすい時期でも
あるので、フッ素配合歯磨き粉だけでなく、歯医者さんでフッ素を塗布してもらうのも効果的です。
歯磨き粉の量(フッ素配合歯磨き粉の場合)
一回の歯磨き粉の使用量は、3歳から5歳までは歯ブラシ上で5㎜程度の使用量、
6歳から成人までは1.5㎝程度の使用量が好ましいとされていますが、
6歳と成人では体格に差がありすぎるので、年齢に適したフッ素濃度の歯磨き粉を使用する必要があります。
うがい用の水の量
せっかくフッ素配合歯磨き粉を使用しても、最後に多くの水でうがいして洗い流してしまうと意味がないので
うがいはごく少量の水(大さじ1杯程度)で1回のみにしましょう。
夜の歯磨きのあとは、フッ素ジェルを塗ったり、フッ素洗口剤でブクブクうがいをするのもいいですね。
夜寝る前がより効果的です。
ペットボトルのキャップに水注いだ量でうがいって?!
なかなか慣れへんな~
うがいをしっかりせんと不快な場合はジェルや洗口剤を使うのがええな!
乳歯から永久歯への移行期【口腔健康を守る食事】
子どもの健康な歯、健康な口腔を守るためには、歯磨きや予防歯科以外に食事が大変重要です。
特にこの移行期には成長に必要な栄養素をしっかり摂取することで、新しく生えてくる永久歯を強く、
健康に保つことができます。
歯に良い食べ物
歯に良い食べ物とは、主に歯を強くし、口腔内の汚れを落としてくれるものを指します。
- チーズ、ヨーグルトなどの乳製品はカルシウム、たんぱく質が豊富で歯の強化に役立ちます。
- 食物繊維を多く含んだり、噛み応えがある食品は、あごの発達や唾液の分泌を促進させ、噛むことで歯垢が自然と取れ、歯が綺麗に保てます。
- 緑黄色野菜に含まれるビタミンやミネラルは、歯茎の健康をサポートします。
具体的には、野菜類やイモ類、果物類、乳製品、ナッツ類、干物、魚類など。
わが家のおやつは干し芋がよく出るで~
歯に悪い食べ物
歯に悪い食べ物とは、虫歯になりやすい食べ物のことを指します。
- 砂糖や油を多く含んでいる食事、お菓子や清涼飲料水
- 歯にくっつきやすいもの
- 口の中に残りやすいもの
- 酸性が高いもの
具体的には、ガムやチョコレート、キャラメル、飴、ジュース、パンなど。
歯に悪いからといって食べてはいけないわけではなく、組み合わせや飲食の回数、時間を決めて
摂取するなどしてうまく取り入れていきましょう。
もちろん歯に良い食べ物だけを食べていれば虫歯にならないわけではないので、規則正しくバランスよく
食事をすることが、歯や口腔健康だけでなく子どもの全身の健康にも繋がり良い影響を与えます。
虫歯になりにくい食事方法
- 歯に良い食べ物・悪い食べ物の特徴を知りバランスよく取り入れる
- 飲食の回数や時間を決めて、ダラダラ食べない
- 何でもよく噛んで食べる
- 食事に集中し、ながら食べをしない
- 飲食をしたらうがいや歯磨きをする
- 規則正しいバランスの良い食事をする
子どもの好きなものや、大人が簡単に作れるものには歯や身体に悪いとされているものも多く含まれますが、
食事も楽しみながら歯や身体の健康も守れるよう、バランスの良い食事を心がけ、
食後の歯磨きをしっかり行いたいですね。
乳歯から永久歯への移行期についてまとめ
乳歯から永久歯への移行期についてまとめました。
- 乳歯から永久歯への生え変わりは個人差があり、5歳でも抜ける子は抜ける!
- 虫歯予防には自宅ケアに加え、予防歯科も活用できる
- 仕上げ歯磨きはまだまだ必要。定期歯科検診を受診しよう
- 口腔健康は身体全体の健康に繋がる。食事と咀嚼を大切にしよう
歯並びや虫歯など子どもの歯や口腔内の健康は気になり心配になることも多いですが、
歯磨き、仕上げ歯磨き、食事を大切にしながら、歯医者さんも一緒になって子どもの成長する姿を楽しく
見守れると良いですね。
子どもの頃のデンタルケア習慣は、大人になってからもずっと継続するものなので、子どものうちから
習慣化し健康な歯を保てるよう取り組みましょう。